血小板は、血液中の細胞成分の中で赤血球に次いで多く、一次止血が主な役割です1)。 通常の血管内皮細胞は血小板の粘着を阻止していますが、血管内皮に傷害を生じた場合、Von Wille-brand因子を介して血小板が内皮に粘着し、そこに凝固因子が作用することにより、安定した凝固塊となります。
PLTの生理学的背景
血小板は骨髄内で、多能性幹細胞より巨核芽球、巨核球を経て、血液中に出現します。円盤状の形状で 2~4 μmの細胞です。血小板は、血液凝固因子であるフィブリノーゲンと結合して強固な凝固塊となりますが、その後線溶され、D-ダイマーとなり代謝されます。
フィブリノーゲン(Fib: Fibrinogen)
フィブリノーゲンは凝固因子の1つであり、第Ⅰ因子とも呼ばれます。血小板と結合し、そこにトロンビン(第Ⅱa因子)が作用しフィブリン(第Ⅰa因子)へと変化します。さらに、第ⅩⅢ因子が作用し安定化フィブリンとなり、強固な凝固塊を生成します。
D-ダイマー(DD: D-Dimer)
安定化フィブリンにプラスミンが作用し、分解された分解産物です。詳細については、免疫測定/D-ダイマーを参照してください。
PLTの参考値2)
共用基準範囲: | 158~348 ×103/μL |
パニック値: | 低値: 30 ×103/μL |
高値: 1,000 ×103/μL |
参考文献:
1. 矢富裕、通山薫、標準臨床検査学 血液学検査; 1-26, 2012
2. 日本における主要な臨床検査の共用基準範囲-解説と利用の手引き-; 日本臨床検査標準協議会、基準範囲共用化委員会; 2019
3. 日本臨床検査医学会ガイドライン作成委員会; 臨床検査のガイドライン JSLM2018検査値アプローチ/症候/疾患; 463-464, 2018