わたしたちは急性期医療に携わる医療従事者に役立つ学術情報を提供します

フリードヴィッチ:スーパーオキサイドディスミュテース発見と意義の洞察

Fridovich.jpg

図1 Fridovich氏近景(J Biol Chem 2005年の記事より)

Fridovich2b.gif

図2 酸素ラディカルができて、反応がひろがることを示す図(参考文献2より)

フリードヴィッチ(Fridovich I:1929~)

活性酸素やフリーラディカルは、1970~80年代には大きなテーマでした。あまり騒がれなくなったのは、重要性は大きいけれど、知見が出そろって科学全体の体系に組み込まれて安定した故と解釈しています。麻酔や血管外科領域には「虚血後再灌流傷害」という現象があり、一度血流を止めてから血流を再開したときに組織傷害がみられ、活性酸素やフリーラディカルの作用と考えられています。そういう厄介な物質を「消去する」役割を果たすSOD(superoxide dismutase:スーパーオキサイドディスミュテース)の重要性も評価が落ち着きました。

フリードヴィッチ氏は1960年代の終わりに、この物質を発見しました。参考文献の1は昔を懐かしんだ文章、2がオリジナルの論文でその最後に「生体を守るという、非常に重要な役割を果たしているのだろう」とのすごい予言が書いてあります。

参考文献:すべてオープンアクセスです。
1. Fridovich I. Reflections of a fortunate biochemist. J Biol Chem. 2001;276(31):28629-28636.
2. McCord JM, Fridovich I. Superoxide Dismutase: an enzymic function for erythrocuprein (hemocuprein) J Biol Chem 1969, 244(22): 6049-6065.

このウェブサイトではクッキーを使用しています

クッキーの使用について