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キキュウ:気球の流行と「ゼニス」の事故

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18世紀末にまず熱気球が、ついで水素を用いた気球が開発され、19世紀にはブームになった(飛行機の発明は1903年つまり20世紀のことである)。19世紀後半、フランスは国家プロジェクトとして気球をつぎつぎに上げたが、1875年に悲劇が起こった。高度記録を狙って酸素を持って上昇した気球「ゼニス」(「天頂」、「大成功」などを意味する語)が、上昇速度が速すぎて酸素マスクを装着する前に意識を喪失したのである。3人の乗組員のうち、2名は死亡したが、生還者が一人いたので、詳細が判明した。「科学の真実追求のための殉教者」として国葬になったという。1900年代後半の宇宙ロケットの事故との類似を思わせる。From: Astrup P, Severinghaus JW. History of Blood Gases, Acid and Bases. Munksgaard, Copenhagen. 1986.

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