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換気の二酸化炭素応答:平常時の主役

換気の二酸化炭素応答は、図のようにPaco2( またはPAco2 )が上昇すると換気が刺激される反応。

酸素レベルにも依存する。

通常の二酸化炭素レベル(Paco2 が40mmHgに近いレベル)で、換気の応答は非常に強い。

換気が正常に(Paco2 =40mmHg前後)に維持されるのは、もっぱらこの反応に依存する。

換気の二酸化炭素応答は、二酸化炭素レベルの変化が持続すると設定が変化するのが特徴。(リセッティング)

1. 高地への移動でハイポキセミアになっても、過換気になるのに時間がかかる。当初、過換気すると二酸化炭素低下の換気抑制効果が強いからである。高地居住が続くとリセッティングにより、過換気可能になる。

2. 慢性呼吸不全でPaco2 上昇が持続すると、換気の二酸化炭素応答が鈍化する。ここで換気の酸素応答が活動を開始する。

ところで、今2%の二酸化炭素を吸入するとしよう。この程度だと、身体はPco2 を正常値に維持しようと努力する。そのためには換気量をほぼ倍増する必要がある。したがって、分時換気量は正常値の6L/分から12L/分くらいに増加する。

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